白日会の展覧会は、毎年3月末国立新美術館での展示(「本展」と呼ばれる)と、巡回展と選抜展で構成されます。
白日会本展は、絵画と彫刻の一般公募を行う公募展として毎年3月末から4月初頭の12日間にて、国立新美術館の2階A・B・C・Dの全4フロアーを29の部屋に分けて作品を陳列し開催されます。
絵画部門は1室~26室までを使用し、油彩画を中心に、水彩・パステル・版画他、紙や水性素材を用いた表現など、670点相当が陳列されます。(なお、展覧会実務運営は、会員を中心に準会員や会友とともに行われます。)
彫刻部門は27室~29室の3室を使用し、塑像を中心に、木彫、石彫、その他樹脂を用いた作品70点相当を陳列、総計740点程の展示数となります。(※数字は94回展を基準)
絵画と彫刻(ファイン・アート)の研究団体として、当会の「写実」の理念を中心としながら、全体では幅広い具象的表現が包括されているのが特徴です。
会員・準会員・会友の出品作は原則として、全て展示されます。
一般応募者の作品は審査委員会の審査により入選作品と選外作品が鑑別され、入選作が陳列されます。(94回展・絵画、応募作291点中200点入選、彫刻、応募作10点中10点入選)
現代の公募団体の中ではトップレベルの厳しい入選倍率となっており、当会の水準の高さを物語っております。(下記・「白日会の審査と展示、選抜の方法」参照)
また、全陳列作品は、受賞、推挙、選抜展等の対象となり、それぞれに応じた基準と方法があります。
美術公募団体展の肝要なるところは「審査と展示」つまりは「価値の表現」ですので、白日会は当会の理念をさらに推進させながら、公正明大で美しい審査と展示を目指していきたいと思っています。
― 審査について ―
《審査委員》
審査委員長
常任委員より、会長を中心とした常任委員会により推薦され、会員総会にて承認された、絵画部と彫刻部それぞれ審査委員長を1名置く。
特別賞選考委員
内閣総理大臣賞 選考委員として美術評論家1名に委嘱する。
文部科学大臣賞 選考委員として美術評論家2名に委嘱する。
審査員
全ての常任委員は審査員となる。(絵画部・彫刻部)
常任委員会によって優秀な若干名の会員が当年度ごとに選抜され、会員総会により承認された後、当年度の審査員となる。
(絵画部・彫刻部)
《本会審査会》
審査委員長と審査員により構成され(絵画部・彫刻部)、一般応募作品の審査、会員・準会員・会友の推挙の審査、白日賞、準会員奨励賞、一般奨励賞、富田賞(絵画のみ)の選定を行う。
《会長を委員長とした選考委員会》
会長を中心に主に常任委員により構成され、特別賞他、法人寄託賞を選定する。他に、地方展作品の選抜、各選抜展の選抜を行う。
― 一般応募作品の鑑別について ―
本会に展示されるに相応しい作品として、審査に出席した本審査会の審査委員の内、過半数以上の賛成と、審査委員長の承認によって、入選となる。(絵画部・彫刻部)
― 推挙について―
本会の会員・準会員・会友に相応しい作品および作家として、審査に出席した本審査会の審査委員の内、過半数以上の賛成と、審査委員長の承認によって推挙される。推挙者は会へ記名料の納入によって推挙が確定する。(絵画部・彫刻部)※詳細は定款3章7条
― 賞について ―
《特別賞》
内閣総理大臣賞
出品作品中、最優秀と認められた作品に対して授与される。
本会が委嘱した美術評論家1名により選定される。
美術評論家:瀧悌三先生(95回展)
文部科学大臣賞
出品作品中、極めて優秀と認められた作品に対して授与される。
本会が委嘱した美術評論家1~2名により選定される。
美術評論家:土方明司先生(95回展)
SOMPO美術館賞
損保ジャパン日本興亜美術財団の「新進美術家を表彰することによって、その美術家の発展、ひいては日本美術界の前進のために貢献した
い」との趣旨のもと、「将来への期待を担う新進作家」の発掘のため、主だった美術団体に寄託された賞。
会長を中心とした選考委員会により選定される。(絵画部より1名)
中沢弘光賞
創立会員中沢弘光先生を記念する賞。文化功労者の年金により基金が創設された。長年にわたり会に貢献した功労者に授与される。
会長を委員長とする選考委員会により選定される。(絵画部または彫刻部より1名)
富田温一郎賞
創立会員富田温一郎先生を記念する賞。ご遺族のご寄付により基金が創設された。新会員推挙者中、最優秀と認められた作品に対して授与される。
会長を委員長とする選考委員会により選定される。(絵画部より1名)
吉田三郎賞
創立会員吉田三郎先生を記念する賞。ご遺族のご寄付により基金が創設された。長年にわたり会に貢献した功労者に授与される。
(彫刻部より1名)
伊藤清永賞
伊藤清永先生(文化勲章受章)を記念する賞。ご遺族のご寄付により基金が創設された。出品作品中、優秀と認められた作品で、長年にわたり会に貢献した功労者に授与される。
平松讓賞
平松譲先生を記念する賞。ご遺族のご寄附により基金が創設された。出品作品中、優秀と認められた作品で、長年にわたり会に貢献した功労者に授与される。
八咫烏賞(特別賞)
当会が会章とする導きの烏である八咫烏の名を冠する敢闘功労賞。会友推挙時から連続50年在籍した会員・準会員・会友の全ての者に対し、当会にて長年にわたり研鑽を重ね健闘し、当会を導き支え続けてきたことを称え、授与される。※第95回記念展では、新賞として第45回展以前に会友推挙以上となった全ての在籍者に授与される。
会員賞
会員の出品作品中、会長を委員長とした選考委員会により最優秀と認められた作品に対して授与される。ただし常任委員と顧問は含まず。(絵画部または彫刻部より1名)
《会賞》
白日賞
一般入選者と会友の出品作品中、最優秀と認められた作品に対して授与される。
本会審査委員会により選定される。
準会員奨励賞
準会員の出品作品中、極めて優秀と認められた作品に対して授与される。
本愛審査委員会により選定される。
会友奨励賞
会友の出品作品中、極めて優秀と認められた作品に対して授与される。
本会審査委員会により選定される。
一般佳作賞
一般入選者の作品中、優秀と認められた作品に対して授与される。
本会審査委員会により選定される。(絵画部と彫刻部よりそれぞれ若干名。受賞者が若手作家の場合は「新人賞」の称号が与えられる場合がある)
《法人寄託賞》
法人名を冠した賞。本会をご後援くださる法人より寄託され、有望新人に与えられる。百貨店賞と画廊賞に分類される。※99回展に改訂
♦ 百 貨 店 賞
近鉄百貨店賞
寄託代表者の推薦にもとづき、会長を委員長とした選考委員会により選定される。(絵画部より1名)
♦ 画 廊 賞
梅田画廊賞・関西画廊賞・大宥美術賞・美岳画廊賞・ギャラリー大井賞
瀧川画廊賞・ギャラリーアーク賞(並びは賞開設順)(各賞を絵画部より1名)
法人寄託賞の選定について
①会長を委員長とした選考委員会により選定される賞。
美岳画廊賞・ギャラリーアーク賞
②主に関西地区在住の出品者を対象とし、会長を委員長とした選考委員会により選定される賞。
関西画廊賞・ギャラリー大井賞
③寄託代表者の推薦にもとづき、会長を委員長とした選考委員会により選定される賞。
梅田画廊賞・アートもりもと賞・大宥美術賞・オンワードギャラリー賞・瀧川画廊賞
副賞
法人より寄託され、本会の賞の副賞として与えられる。
株式会社クサカベ(白日賞)
ホルベイン画材株式会社(白日賞)
松田油絵具株式会社(会賞のいずれか)
平澤篤賞(会賞のいずれか・ご遺族のご寄附による副賞)
― 陳列について ―
陳列委員長
常任委員より、会長を中心とした常任委員会により推薦され、会員総会にて承認された陳列委員長1名を置く(絵画部・彫刻部)
出品作品の部屋割りは、審査後に、会長を中心に、陳列委員長と本会審査員により行われる。(本審査会が不適当と認めた作品は本部あずかりとなり、陳列されない場合がある。)
展示配置は、会長を中心に陳列委員長と常任委員の指導のもと、常任委員と会員による各展示室の主任と、会員・準会員・会友から構成される展示係りにより行う。
― 地方展作品の選抜について ―
会長を委員長とした選考委員会が当該年度の本展作品より地方展作品を選抜する。
名古屋展 本展より選抜された地方展作品と、本展に展示された、愛知・岐阜・三重の各県の出品者による作品が展示される。本部指導のもと、中部支部が運営する。
関西展 本展より選抜された地方展作品と、本展に出品された、主に関西支部からの出品者の作品が展示される。本部指導のもと、関西支部が運営する。
― 選抜展について ―
三越会員選抜展「英英紅綠」・日本橋三越
常任委員の出品他、会長を委員長とした選考委員会により、会員から優秀者を選抜する。(公式選抜展)
明日の白日会展・日本橋高島屋
会長を委員長とした選考委員会により、当該年度の本展作品の若手出品者(原則50歳以下)の内、優秀者を選抜する。(公式選抜展)
近鉄会員選抜展および白涛会・あべのハルカス近鉄本店
近鉄会員選抜展(隔年)
常任委員の出品他、会長を委員長とした選考委員会により、会員から優秀者を選抜する。(公式選抜展)
白涛会(隔年)
会長を委員長とした選考委員会により、会員の優秀者と関西支部会員の優秀者を選抜する。(準公式選抜展)
デッサン展 永井画廊
常任委員の出品他、会長を委員長とした選考委員会により、会員から優秀者を選抜する。(公式選抜展)