第99回白日会展(2023)

目次

展覧会概要

名称第99回 白日会展
会期令和5年(2023)3月23日(木)~4月3日(月)
休館日 3月28日(火)
10:00~18:00 最終日は15:00閉場
会場国立新美術館 2F 2A・2B・2C・2D展示室
東京都港区六本木7-22-2
TEL:03-5777-8600
http://www.nact.jp/
入場料一般 800円 大学生以下:無料
特別陳列 特別陳列 ―先達への偲び―
2A・7室にて、当会の発展に多大に貢献された4名の先生方を顕彰し、特別陳列を行いました。
 平松譲(日本藝術院会員・白日会顧問・第11回展初出品~88回展まで在籍 2013年逝去)
 柳沢淑郎(白日会顧問・第27回展初出品~81回展まで在籍 2006年逝去)
 伊藤利行(白日会顧問・第26回展初出品~95回展まで在籍 2020年逝去)
 市村緑郎(彫)(日本藝術院会員・白日会顧問・第38回展初出品~89回展まで在籍 2014年逝去)
審査結果入選者 推挙者 授賞者 選抜者
イベント公開クロッキー講座 Vol.5 
「クロッキーにおける線と調子」—調子から線へ—
3月30日(木) 美術館3F講堂
第1部 11:00~13:00 第2部 13:30~15:30
要入場券|参加無料|要入場整理券・事前申込不要
クロッキー実演・解説 
大友義博|岡田髙弘|関口雅文|広田 稔|和田直樹|勝野眞言(彫)|前芝武史(彫)
司会 中谷 晃
第1部 中山忠彦会長による小講演
第2部 座談会「デッサンについて」(中山忠彦会長・上記出演者による)
定員 第1部、第2部ともに250名


ギャラリートーク
絵画/会期中全日 14:00~ 白日会展会場2A・1室集合
※初日、休館日、最終日、イベント日を除く
巡回展名古屋展
会期:令和5年 2023 4月11日㈫ ~ 16日㈰ 
会場:愛知県美術館ギャラリー(愛知芸術文化センター8F)

〒461-8525 名古屋市東区東桜1-13-2 TEL 052-971-5511(代表)
10:00~18:00 金曜日は20:00閉館
最終日は16:30閉場(入場は16:00まで)会期中無休 
入場料金 一般 700円|大学生・高校生・中学生 無料

選抜展同時期開催  
白翔会 展
松坂屋名古屋店本館8F 第一美術画廊 及び第二美術画廊

関西展
会期:令和5年 2023 6月14日㈬~ 6月20日㈫ 
会場:あべのハルカス近鉄本店 ウイング館8F 近鉄アート館
〒545-8545 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 TEL 06-6624-1111(代表)
10:00~20:00(入場は19:30まで)
最終日は17:00閉場 会期中無休 
:入場料金 一般 500円|大学生・高校生・中学生 300円
〒545-8545 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 TEL 06-6624-1111(代表)


選抜展同時開催
第14回 白日会会員選抜展
あべのハルカス近鉄本店 タワー館11F 美術画廊
媒体物目録 リーフポスター面 リーフ詳細面

審査所感

絵画部

 搬入2日目にあたる3月13日にはマスクの任意着用が公布され、新型感染症は終息期とみなされる世情となりました。一般公開が叶わなかった第96回展から3回目の本展開催となりましたが、毎年多くの新規応募者があり、また継続して応募し、挑戦し続けている一般出品者があることを大変うれしく思います。
 本第99回展は一般応募者261名(281点)中171名(172点)の入選、およそ65%の入選率という結果となりました。白日賞をはじめとする「会賞」では、賞候補者の作品を審査会場に一堂にならべ、審査員の投票や挙手とデスカッションを重ねながら徐々に絞り込みつつ、審査会の総意としての授賞となるような方法で厳正に選定しています。また賞候補に選出される際も、審査員の過半数の賛成と審査委員長の承認により厳選されます。今回は、一般出品者から28名が賞候補となり(会場のキャプションに「賞候補」のシールが貼られます)、鉛筆画の小品での佳作賞受賞作品など、当会の「写実」の理念と評価基準の質や幅を見ていただければ幸いです。なお、「会賞」(富田温一郎賞を含む)受賞者10名の年齢構成は、70代2名、60代3名、50代2名、40代2名、20代1名でした。近年は若手の受賞者が多かったのですが、今年は年齢層の幅が均等に広がった結果となりました。
 なお、「特別賞」(富田温一郎賞を除く)と「法人寄託賞」の審査は3月22日の陳列日に行います。

令和5年3月15日 絵画部 常任委員会

彫刻部

 新型コロナ感染拡大収束の兆しが見えパンデミックの終了が期待される一方で、世界ではウクライナを始め不安な状況が相変わらず続いており、日々の生活にも依然その影を大きく落としている。こうした中で彫刻表現を続けることの意味が、改めて問われて来ているのではないだろうか。
 コロナ収束の方向とはいえ、彫刻作家にとってはこの間厳しい環境であったことは否めず、制作の継続に大きな困難さをともない、このことが出品数の減少にもつながっている。
 そうした中で、全国から出品される会員の作品には、その継続の力を見せる力作が多く、公募展ならではの強い人の繋がりを感じさせる。彫刻表現には困難な状況はしばらくは継続するだろうが、この中でこそ改めて彫刻の意味、役割を問い直し、培って来た会員の力を結集し、次回第100回記念展をひとつの節として新たな白日会彫刻の展開を模索していきたい。

令和5年3月15日 彫刻部審査主任 山本眞輔

賞・授与理由

内閣総理大臣賞

作者名 福井 欧夏      
題名 「茜に懐かれて」

 此の作家の婦人像は、近年注目する処であったが、今回は柳枝垂れる睡蓮池の畔に、白いドレスの女のL字形に背を起こし、足を前に投げ出すポーズ。題して「茜に懐かれて」。形体的に安定感あって、雅びの情趣も過度でも不足でもなく、無理ないのを善しとみた。なかなかに手の込んでいるのも技術の高さを覚えしめる。内閣総理大臣賞に推す所以とする。

瀧 悌三(美術評論家)

文部科学大臣賞

作者名 亀山 裕昭       
題名 「Slumdog」

 堅実な描写力と安定した構成力により、重厚感を感じさせる風景画となっている。寂寥感漂う画面は、情感豊かであり見る者の感情に働きかける。完成度の高い作品であり、文部科学大臣賞にふさわしいと判断する。

土方 明司(川崎市岡本太郎美術館館長)

SOMPO美術館賞

作者名 原 太一       
題名 「After The Rain」

 作者固有のキャラクターの兎が旅をするという設定(兎がどこにいるのかを探させるのも作者の意図)にて、名画のオマージュに社会性や時代性を織り込むという趣向。こういう面白さとは別に、的確な調子と構成により、塔や大地の実体感や空と雲の広がりが与えられ、澄んだ画面となった。現代感覚と同時に基礎的な力量を感じさせる作品として、同賞に相応しいと評価した。

絵画部 常任委員会

目次